top of page

​TE HANDEL

 

TE HANDEL(ティーハンデル=茶舗)は、「お茶」を通じて豊かさを探求するティーブランドです。

私たちが得意とするのは、まろやかな有機茶葉に、ハーブやスパイス、さらに植物から抽出した高品質なアロマを使用した爽やかで豊かな香りのブレンドティーです。日本の軟水と繊細な香りを好む文化に合うよう、素材同士が引き立て合って調和する「和え」の感覚を大切に、スウェーデンのブレンダーと協働した独自のレシピが特徴です。

定番のオリジナルブレンドは「ユーロリーフ」およびスウェーデンの有機認証「KRAV」を取得しています。

(詳しくはTEA:https://www.tehandel.com/tea

 

定番のオーガニックブレンドに加え、大磯やその周辺で採れるハーブや穀物、果実などを用いた、季節感や地域性を活かした小ロットの限定ブレンドも製造・販売しています。

 

 

香りが記憶に語りかけてくる──

そんなお茶との出会いは、店主が16歳の時にスウェーデンへ留学した頃にさかのぼります。

 

「生きるとはどういうことか?」

眠れぬ夜、空を見上げては、答えの出ない問いを月に投げかけていた、今思えば少し風変わりで内向的な子どもでした。

「もう、帰らないかもしれない」、そんな覚悟を胸に、日本を飛び出した16歳の夏でした。

大きなスーツケースを押しながら、ストックホルムからひとり電車を乗り継ぎたどり着いたのは、海のように広がる湖を見下ろす、丘の上の古い家。

 

「よく来たね」

出迎えてくれたMammaの、すべてを包み込むような温かさ。そして、彼女が淹れてくれた、どこか懐かしい香りのまろやかなお茶。その一杯は、澄んだ沢の水のように心と体の渇きをやさしく癒し、張りつめていた心の糸がゆっくりほどけていくのを感じさせました。

このときの記憶と体験が、TE HANDELのお茶の核──原体験であり、目指すお茶のかたちです。

 

ー Peacefulness through a cup of TEA

心と体に染みわたる、やさしい香りと清々しい味わいのブレンドティー。

無色透明なお茶の香りが、あなたの幸せな記憶に届き、

明日への小さな光となりますように。

 

 

Dot

case5

 

社名「case5(ケイスファイブ)」には、「五感の箱」や「あらゆるバランス(=5)を探求する場」という意味が込められています。その実践的な取り組みのひとつとして、2003年秋にスタートしたのが「TE HANDEL」です。

 

このプロジェクトの原案は、スウェーデンの人口3万人の小さな町の社会事業部に研修生として学び、障がい者支援の現場で働いていた時に生まれました。

福祉国家を支える現場に身を置くなかで、スウェーデンから学ぶべきものは、制度や法律の優劣ではなく、障がいの有無、性別、年齢、出自を問わず、一人ひとりが社会の一員として主体的に生きる姿勢と、それを支える社会のあり方なのではないかと感じるようになりました。

北欧の「高負担・高福祉」を可能にしているのは、自立した個々人による社会への高い参加意識であり、その土壌から生まれる成熟した民主政治の成果です。

では、北欧とは異なる文化、社会的背景を持つ日本において、「みんなの幸せ」をどのように考え、形にしていくことが望ましいのか?

また答えの出ない問いを抱えながら、日本へ提出する報告書を書いていたある日、ふと思いました。日本人は主体性に乏しいと言われるけれど、その裏返しとして、利他を美徳とし、『お互い様』の心で全体の調和を重んじる和やかな文化を育んでききたこと。自然の厳しさと向き合いながら、知恵と感性、ときに忍耐によって多くの辛い困難を乗り越え、世界も認める経済大国となったこと。そんな国だからこそ、制度や法律で縛るのではなく、良い共感を通じて地域に自発的な共生の和を育み、成熟した市場と流通を背景に、地域に根ざした製品やサービスによって新たな豊かさを生み出しながら、必要な場所へ富を再分配していく。人間の感性ややさしさに根ざした「共生の輪」「地域社会経済」の実現が、日本ならではのかたちで可能なのではないか——。

そんな青写真がぼんやりと頭に浮かんだ翌日、日本に帰国することを決めました。

この想いを共有するための表現手段として、またこの荒唐無稽な構想を支える経済活動の軸として、お茶を選んだのはごく自然なことでした。

古来、人はその土地に根ざした植物から嗜好品としてのお茶を生み出し、集い、語らい、文化を育んできました。

私が生まれ育った鎌倉では身近に茶道や禅の世界が広がり、日常的に様々なお茶の文化に触れる環境から、私自身も強く影響を受けてきたように思います。

そしてスウェーデンで出会った、五感で感じ癒す、やさしい香りのお茶や、その地で教わった「自治・自立」の精神。

これまでのすべての経験が、「TE HANDEL」を始める拠り所となりました。

 

「TE HANDEL」のお茶をより多くの方に心から「おいしい」と感じていただけるよう、品質の保持と向上に力を入れながら、地域のつくり手、社会福祉事業所、技術を持つ職人、発想豊かなクリエイターたちと協働し、ブランドとしての新たな価値とオリジナリティを育みつづけながら、商品開発・製造・販売を通して循環するものづくりを目指しています。

 

2015年には、友人で建築家の田根剛さんと共に「100年先に続く家」をコンセプトに、理想をかたちにした場「a house for Oiso」(=TE HANDEL home & gallery )を完成させました。

ここは「五感の箱」、そして「社会のあらゆるバランスを思考する場」として、芸術や文化に触れる企画を定期的に開催しています。

 

一人ひとりが持つ物語、言葉、音、色、空気——

それぞれが紡ぐ世界に触れることで生まれる、他者への興味と理解。

その先に広がる、心地よい共生のバランスを想い描きながら、100年前の時間と文化がゆるやかに息づく大磯の地で、100年先の私たちの物語へとつながる光を集め、明日へと紡いでいきたいと願っています。

 

— 代表 加瀬 さやか

2000年 同志社大学 経済学部 社会経済学科 卒業後

神奈川県 国際派遣事業によりスウェーデンのハリダコミューン社会サービス部に在籍

希望して障がい者支援事業課にて研修、報告書「社会と共に生きる」を誌す。

2002年 帰国 政府系シンクタンク勤務を経て独立

2003年 神奈川県大磯町にcase5,inc.を設立 TE HANDELスタート

bottom of page