



設計 : DGT / 田根 剛 ー a house for oiso
この建築は、歌川広重 東海道五拾三次の浮世絵にも描かれた丸い形が印象的な高麗山の麓に在ります。高麗山は江戸時代末期まで霊領域として保護され、人の入山を制限し、樹木の伐採も禁じられていたことから貴重な広葉樹の自然林(県の天然記念物指定)を残しています。
この土地からも古くは縄文時代の土器が発掘されていることから太古の昔より人々がこの地に暮らしていたことがうかがえます。山中には古墳群が点在し、6世紀以降、大陸から伝来した仏教信仰の中心地でもありました。
そのような貴重な自然と文明の歴史が色濃く残るこの山の裾野に建つ家は、幼い子どもたちの短い成長の時間を豊かにしつつ、世代を超えて風景に溶け込み、土地の記憶と共に地域に親しまれる祈りのような場所でありたいと想いました。設計は友人で大磯の地を気に入り度々訪れてくれていた建築家の田根剛さんにお願いしました。パリにある設計事務所から送られてくる多国籍なスタッフによる徹底したリサーチとアイデア、そこから立ち上がるシンプル且つ普遍的でありながら見たことのない、この土地にしかないデザイン。この家のコンセプトを表すのにこれ以上ないだろうと思われる「a house for Oiso」と名付けられた設計案に興奮しつつ「これは大変なことになってきたぞ…」と、これから予想される道のりを想いました。
誰にとっても初めて尽くしのこの家は、大磯の腕の良い宮大工の兄弟、敷地の土を使った面倒な壁作りを快く引き受けてくれた誠実で研究熱心な左官職人、母の親友が繋いでくれた信頼に厚い施工会社、真面目で辛抱強い若い設計者たち等々、、土地の縁で集まった多くの心良き作り手の力を借りて、理解ある優しいご近所の皆さまにも祝福して頂きながら2015年5月に完成しました。
home&gallery
JR大磯駅より徒歩約15分 / 駐車場なし
tel. 0463-26-9755
※ 2025.07.01 名称が「TANKE」に変わりました
■ 次回企画展
TANKE展 vol.01 – Beauty for all –
期間:10月1日(水)-10月13日(月)
11時 – 18時(最終受付17時30分)
休廊 :10月6日(月) / 7日(火)
会期中イベント:10月12日(日) トークイベント
ゲスト / konst 代表 須長 檀
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エレン・ケイ(Ellen Karolina Sofia Key, 1849年12月11日 – 1926年4月25日)は欧米では哲学者、教育者そしてデザイン理論家としても知られたスウェーデンの社会思想家です。
「美しさをすべての人に」
エレン・ケイ 著 / 池上貴之 訳
期間中はこの本を出版された軽井沢の福祉とデザインのアトリエ「konst」のアート作品を展示、販売いたします。
1階は入り口にショップ、中央に喫茶ルーム、踊り場の小さな展示スペースの奥には茶室があります。
2022年12月からは、それまでプライベートスペースであった2階をギャラリースペース 「 gallery case5 」 として開き、企画展や音楽会、ワークショップを開催しています。
社名でもあるcase5には「五感の箱」、「あらゆるバランス=5について実証探求する場」と言う意味が込められています。
表現を通じてお互いを知り、敬い、世界のより良いバランスを探求しながら、100年先この場所が地域の平和で温かな心のhome になっている事を願っています。
